「◯◯な人は農業に不向き?」「若者と年配者の違いは✕✕✕」。ホームセンターで聞いた意外な“農業あるある”大公開!
趣味としての農業に興味津々♪ そんなあなたに耳打ちしたい「ココだけの話」をお届けする当コーナー。今回は、農業資材を扱うホームセンターで仕入れた、とっておきのオフレコ話を公開します。実用情報からちょっとした内輪話まで、さまざまなエピソードをご堪能あれ。
Illustration:あおむろひろゆき / Text:TSUCHILL編集部
協力してくれたのは……
カインズ桑名店
三重県桑名市にあるカインズ桑名店は、西日本地域のカインズ店舗の中でも最大級の売り場面積を誇る大型ホームセンター。10万点を超えるアイテムが並び、周辺住民の快適な日常を後押ししている。特にPRO仕様の資材を提供する「資材館PRO」では、豊富な品揃えと手厚いサービスで、農業法人や農家のほか、建築業者やDIY愛好家に対するサポートを徹底。また、店内には農機具の修理・メンテナンスを請け負う「修理工房」も設置されていて、熟練の担当者が刈払機、耕運機、エンジンポンプといった農業関連器具のトラブル、各種相談に対応してくれる。
【ココだけの話1】種苗コーナーの入り口に並んでいるのは、今植えるべき旬の作物
ホームセンターの種苗コーナーには、多種多様な苗や種が売られています。あまりも種類が多すぎて混乱する人もいるのではないでしょうか。ただ、これらは無秩序に並んでいるわけではありません。
たとえばカインズ桑名店の場合、種苗コーナーの入り口周辺に目立つように並べられている種や苗は、その時期に植えるべき旬のもの。そして、その周辺には、その作物を育てるのに適した肥料や農薬などの「関連商品」が置かれているそうです。
というわけで、店頭に足を運んだ際、目に飛び込んできた商品を感覚的に買っても、ほとんどの場合それが“正解”です。
【ココだけの話2】若者がホームセンターでよく買う苗は、トマトやピーマン
カインズ桑名店には、老若男女、幅広い層のお客様がやってきますが、若い人が好む作物は、トマトやピーマン、ナス、キュウリだそう。たわわに実った野菜たちがぶら下がる光景は写真映えしそうですし、収穫も簡単そうなイメージなのでしょう。
一方で年配の人は、主に根菜の苗を買っていく傾向があるようです。その理由は、単純に「食料として優秀」だから。
大根もニンジンもイモ類も、引っこ抜いたり掘り起こしたりは大変だけど、ボリュームと有用性が第一。酸いも甘いも噛み分けた大人は、見栄えよりも実益が大事ってことを理解しているのかもしれません。
【ココだけの話3】趣味の農業を主導するのは、男性よりも女性のケースが多い
ホームセンターで働くスタッフの肌感覚でいうと、家庭菜園や趣味の農業を始めるきっかけを作るのは、男性よりも女性のほうが多い傾向にあるようです。農業は力仕事も少なくありませんし、虫も出るし、どちらかというと男性主導になりそうな印象ですが、意外とそうでもないようです。
心地よい暮らしを求める女性たちが「子どもに旬な野菜を食べさせたい」「食卓の安心安全を追求したい」と、趣味の農業にたどり着くのは、ある種必然の流れなのかもしれません。
夫婦で仲良く来店し、女性が野菜の種苗や土、肥料を選び、それを男性が車に運ぶ……というのは、カインズ桑名店の売り場でもよく見かける光景のようです。
【ココだけの話4】完璧主義の人は農業にあまり向かないかもしれない
畑の雑草は、たとえ1本残らず抜いても次の日にはまた生えてくるし、一分の隙もなく防虫ネットを張ったと思っても、葉っぱには虫食い穴ができます。作物を育てるうえでは当たり前のことですが、常に完璧を求める人はそれが許せない傾向にあります。
農業初心者の中には、農薬や除草剤を可能な限り目一杯使い、ノー雑草、ノー虫食いを目指そうとする人もいるとかいないとか。でも実際のところ、それはあまりにも無謀な試みで、余計なストレスにつながる可能性大。
ちなみにカインズ桑名店では「多少ズボラなほうが楽しく続けられるし、うまくいく」とアドバイスしているそうです。ちょっとくらい葉っぱが虫に食われても、「虫が寄るくらい美味しく育っているんだな」と前向きにとらえるくらいが成功の秘訣のようですね。
【ココだけの話5】ホームセンターは、プロのために肥料を大量にストックしている
作付けのシーズンになると、プロの農家は大量の肥料を購入する必要があります。何袋、というレベルではありません。ホームセンターにやって来て、「キロ」ではなく「トン」のレベルで買って帰ります。
「そんなに一気に買われたら、僕らの分がなくなっちゃう」と心配になったアマ農家のみなさん、ご安心ください。とくに需要の多いホームセンターでは、バックヤードに大量の肥料をストックしていて、すべてが売り切れることはそうそうありません。
カインズ桑名店でも、その時期は倉庫に千袋を超える肥料を用意しているそうです。また、シーズン期間は肥料・農薬・農業資材などの予約を受けていて、常連のプロの農家の皆さんはご一報のうえトラックで買いに来るそう。どの業界でもプロは豪快です。
【ココだけの話6】相談に来る農業初心者の大半が見落としがちなのは「土に関する理解」
ホームセンターには、作物に関するさまざまな問い合わせが来ますが、「収穫シーズンを楽しみにしていたのに、収穫量が思ったより少なかった」という相談は意外と多いようです。
カインズ桑名店にも同様の相談がありますが、よくよく話を聞けば「土の状態をきちんと把握しないまま苗や種を植えてしまった」という、スタート段階でミスを犯しているケースが多いそうです。
同じ土壌に、同じ科の作物を植え続けると「連作障害」が起きて収穫量は激減します。また、育てる作物に合わない土を使えば、うまく育たないこともあります。大事なのは「土」なのです。
【ココだけの話7】農機具の故障に多い原因のひとつは初心者の「無茶な使用」
ホームセンターの農機具修理カウンターには、さまざまな農機具が持ち込まれます。プロの農家は日常的に、使い込んだ農機具のメンテナンスに訪れますが、そのほかで意外と多いのが農業初心者からの修理依頼。
慣れないうちはやはり、用途を間違ったり、許容範囲を超える使い方をしたりしがちなのかもしれません。
ちなみにカインズ桑名店でもっとも修理依頼が多いのは、「草刈機・チェーンソー・粉砕機」だそうです。これらの機具は農作業を効率よく進めるためにものすごく便利な機械ですが、構造はさほど複雑ではありません。しかし、何でもかんでもあっという間に刈り取ってくれるからこそ、ついつい太過ぎる木や濡れた枝、とてつもなく硬い物体にも刃を向けたくなってしまうのでしょう。機具の性能以上に負荷をかけてしまうと故障の原因となったり、寿命を大きく縮めてしまう恐れも。無茶は禁物です。
【ココだけの話8】オーガニックにこだわりを持つ週末農家は壁にぶつかりがち
最近は家庭菜園でも「オーガニック」にこだわりたい人が増えています。自然にも体にも優しい農業は、たしかに理想的。しかし農薬や化学肥料なしで作物を育てるのはとても難しいことです。農薬を使わなければ、畑が虫や雑草だらけになるし、化学肥料なしでは作物の育ちが悪くなってしまうこともあります。
カインズ桑名店でも、オーガニック農業関連の相談が増えているようですが、まずはその難しさや大変さを伝えるようにしているとのことです。
農業に興味がモリモリ湧いてくる、とっておきの話はまだまだ続く!
ホームセンターならではの「ココだけの話」いかがでしたか?「少々ズボラなほうが農業が楽しめる」なんて、ちょっとびっくりですよね。いつも何気なく眺めていた農業資材売り場には、こんな面白いネタが転がっているのです。農業の「裏話」って、奥深くで興味深いものですね。
これだけ面白いのだから、きっとホームセンター以外でも目からウロコな話が聞けるはず!ということで、これからもさまざまな農業関係者のみなさんに突撃し、たくさんの「ここだけの話」を集めようと思っています。
笑える話、参考になる話、思わず「そうなんだ!」と声を上げてしまいそうなウンチクの数々を、存分にお楽しみいただければ幸いです。
次はあなたの街にお邪魔するかもしれません。
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